矢沢永吉50年の軌跡と『逃亡者』|76歳ドーム快挙までの進化の歴史を徹底解説
1980年代前半、矢沢永吉は大きな岐路に立っていた。1980年代初頭の全米進出への挑戦を経て、自らの音楽的基盤を再構築するフェーズに入っていたのである。その決断として選ばれたのが、レコード会社をワーナーパイオニア(現・ワーナーミュージック・ジャパン)へ移籍することだった。
1984年7月にリリースされたソロ第10作目のスタジオ・アルバム『逃亡者』は、そのタイトルが示す通り、過去の成功体験からあえて脱走し、新たな地平へ踏み出す強い覚悟に満ちていた。全編にわたって漂うのは、それまでのアメリカン・ウェストコースト風のカラッとした明るさとは異なる、ヨーロッパ特有の陰影とタイトなリズムである。オリコンチャートでも初登場上位に食い込み、1984年を代表する名盤としてファンの記憶に刻み込まれることとなった。
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