吉柳咲良は何者?ホリプロ最年少グランプリからグランドミュージカルまでの軌跡
デビュー翌年の2017年7月、彼女に託されたのはブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』の10代目タイトルロールだった。初代の榊原郁恵から数々の名女優が受け継いできた日本のミュージカル文化における重要ポストである。歴代最年少タイでの抜擢となった吉柳は、フライング(空中遊泳)の過酷なフィジカルトレーニングと、連日の激しいアクションに13歳で直面した。
初演の幕が開いたとき、演劇批評家たちを驚かせたのは彼女の恐れを知らない舞台度胸だった。客席の上空を軽やかに舞いながら、息を乱すことなく劇中歌を歌い上げる。吉柳は単に「元気な少年」をなぞるのではなく、ピーター・パンが内包する孤独感や残酷な無邪気さまでも歌唱表現に落とし込んだ。結果として、彼女は2017年から2022年まで6年連続で座長を務め上げる。パンデミックによる公演中止の危機を乗り越え、2023年に山﨑玲奈へとバトンを渡すまでの日々が、彼女の「舞台女優としての骨格」を決定づけた。
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