「風に吹かれて」を日本語訳した野上彰の正体とは?アカシア忌で偲ぶ知られざる文学的功績
1962年にディランによって書かれた「Blowin' in the Wind」は、翌1963年にピーター・ポール&マリーがカバーしたことで世界的なメガヒットを記録しました。日本市場にもいち早く持ち込まれ、1960年代半ばから巻き起こるカレッジ・フォーク運動の起点となります。当時、洋楽ポップスやフォークソングが輸入される際、日本ビクターなどのレコード会社は国内の作詞家や詩人に日本語詞の作成を依頼していました。
その中で白羽の矢が立ったのが、当時すでに卓越した翻訳家・児童文学者として名を馳せていた野上彰でした。直訳調の不自然な言葉遣いを退け、日本語の音数律や母音の響きを徹底して計算した野上の訳詞は、当時の若者たちの口頭伝承のように浸透。とりわけサビ部分の「どれだけの道を歩めば、人は大人になれるのか」「友よ、その答えは風に吹かれている」というフレーズは、世代を超えて日本人の共通記憶となりました。
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風 に 吹 かれ て